[Exhibition] 磯谷博史 / 復元の、複数

Added on by Yusuke Nakajima.

この度POSTでは、美術家・磯谷博史の展覧会「復元の、複数」を開催いたします。本展覧会は昨年の春から初夏にかけて、長野県の小海町高原美術館で開催された「動詞を見つける」展の図録出版を記念するもので、会期中の土曜日には、毎週トークイベントを開催いたします。

【展覧会概要】

磯谷博史 / 復元の、複数
会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2023年7月7日(金)~2023年7月30日(日)
時間: 11:00-19:00
定休日: 毎週月曜日

レセプション: 2023年7月7日(金) 17:00-19:00
参加費無料、事前予約不要ですので、どなたでもお気軽にお越しください。

トークイベント
①中尾拓哉 x 磯谷博史
7月8日(土) 18:00-19:00
図録内の往復書簡の企画・構成を担当した美術評論家の中尾拓哉さんを迎えて「動詞を見つける」展の「鑑賞体験と言語」についてお話しいただきます。

②田中せり x 磯谷博史
7月15日(土) 18:00-19:00
図録のデザインを担当したグラフィックデザイナーの田中せりさんを迎えて「動詞を見つける」展の「展覧会と図録デザイン」についてお話しいただきます。

③伊藤貴弘 x 磯谷博史
7月22日(土) 19:00-20:00
図録のテキストを担当した写真美術館学芸員の伊藤貴弘さんを迎えて「動詞を見つける」展の「写真」についてお話しいただきます。

④蓮沼執太 x 磯谷博史
7月29日(土) 18:00-19:00
「動詞を見つける」展でサウンド・パフォーマンスを行った音楽家の蓮沼執太さんを迎えて展覧会での「空間と音」についてお話しいただきます。

参加費:1,000円(税込)

※参加費のお支払いは現地支払い、現金のみのご対応となります。
※要予約。ご参加をご希望の方はメールアドレスtsunoda@limart.net まで

・参加ご希望の回(「①中尾拓哉 x 磯谷博史」など)
・お名前
・お電話番号
・参加人数

を明記のうえご連絡ください。

POSTでの展覧会では、小海町高原美術館の個展でも中心的な作品となった写真作品のシリーズ「着彩された額」から、大小の作品をギャラリー空間に呼応させ展示を行います。

 「着彩された額」シリーズは、身の回りの小さな発見をモチーフとしたもので、撮影されたカラー写真をセピア色に変換し、元々の画像に存在していた色をフレームに塗装するという手法が使われています。セピア色の写真とフレームにペイントされた色彩が、鑑賞者の想像力によって重ね合わされ、「復元」を促すことを意図しています。この作品には、撮影された瞬間から過去となっていく写真を、現在につなぎとめることへの関心が表れています。

展示期間中、毎週土曜日の夕方に開催されるトークイベントには「動詞を見つける」展に関わったゲストを招き、昨年の展示を振り返りながら、各々の「動詞を見つける」展の「復元」についてお話する予定です。

この機会に、展覧会とトークイベント、合わせてお楽しみください。

 

【プロフィール】

磯谷博史(美術家)
東京藝術大学で建築、同大学院およびロンドン大学ゴールドスミスカレッジで美術を学ぶ。写真、彫刻、ドローイングを通じて、知覚の複数性と時間の多様な性質を再考している。主な個展に、「動詞を見つける」(小海町高原美術館、長野、2022年)、「『さあ、もう行きなさい』鳥は言う『真実も度を超すと人間には耐えられないから』」(SCAI PIRAMIDE、東京、2021年)、主なグループ展に「Constellations: Photographs in Dialogue」(SFMOMA、サンフランシスコ、2021年)「Lʼ Image et son double」(ポンピドゥー・センター、パリ、2021年)、「六本木クロッシング 2019:つないでみる」(森美術館、東京、2019年)など。
Web: https://www.whoisisoya.com/
Instagram: https://www.instagram.com/hirofumi_isoya/


中尾拓哉(美術評論家/芸術学)
近現代芸術に関する評論を執筆。特に、マルセル・デュシャンが没頭したチェスをテーマに、生活(あるいは非芸術)と制作の結びつきについて探求している。著書に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。編著書に『スポーツ/アート』(森話社、2020年)。主な論考に「リヒターと1960年代のマルセル・デュシャンの再評価」(『ゲルハルト・リヒター』青幻舎、2022年)など。近年のキュレーションに「メディウムとディメンション:Liminal」(柿の木荘、2022年)、「ANOTHER DIAGRAM」(T-HOUSE New Balance、2023年)。現在、女子美術大学、多摩美術大学、東京藝術大学、東京工業大学、立教大学、早稲田大学非常勤講師。


伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)
1986年東京生まれ。2013年より東京都写真美術館に学芸員として勤務。主な企画展に「松江泰治 マキエタCC」展、「琉球弧の写真」展、「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」展、「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol. 15」展、「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」展、「いま、ここにいる―平成をスクロールする 春期」展など。女子美術大学非常勤講師。


田中せり(グラフィックデザイナー)
1987年茨城県生まれ。2010年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。企業のロゴデザインやブランドのアートディレクション、美術館の仕事などに携わる。主な仕事に日本酒せんきん、小海町高原美術館、SCAI THE BATHHOUSE、本屋青旗のロゴデザイン、DIC川村記念美術館「カラーフィールド」展や森美術館「アナザーエナジー」展の宣伝美術など。また、写真と印刷機を扱い偶発的な表現を試みたパーソナルワークの発表や展示なども行う。
Web: https://seritanaka.com/
Instagram: https://www.instagram.com/seri_tanaka/


蓮沼執太(音楽家/アーティスト)
1983年東京都生まれ。「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンス、ワークショップ、プロジェクトなどを制作。主な個展に「Compositions」(Pioneer Works 、ニューヨーク、2018 年)、「 〜 ing」(資生堂ギャラリー、東京、2018 年)など。また近年のパブリック・プロジェクトやグループ展に「Someone’s public and private / Something’s public and private」(Tompkins Square Park 、ニューヨーク、2019 年)などがある。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
Web: http://www.shutahasunuma.com/
Instagram: https://www.instagram.com/shuta_hasunuma/