この度POSTでは、アートブック『We』の発売を記念した展示とトークイベントを開催いたします。
【展覧会概要】
“We” DISCUSS AT POST
会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2025年4月16日(水)~2025年3月20日(日)
時間: 11:00-19:00
定休日: 毎週月曜日
アートブック『We』の先行発売を記念したトークイベントです。
「誰かも分からない人の顔がたくさん掲載されているポートレートブックを買う理由を教えて欲しい。3月下旬に開催した先行発売イベントで友人に聞かれた質問だ。「納得した上でこの本を購入したい」と。僕は一瞬戸惑ってしまいました。「ポートレート写真だけでは伝えきれない、制作の裏側に大事なことがあると思って、その文章を読んで欲しくて本にしました」と僕はその場を濁した。でも、文章がないとこの本を作る意味がなかったのか…。そんな友人による素朴かつ本質的な質問に答える形で、今回POSTではディスカッションという形でトークショーを設けたいと思います。知らない人が撮った知らない人のポートレイト写真の価値について。
PARTNERS STUDIO・川島拓人
トークイベント第一弾:「無名の顔に価値はないのか?」
桑田光平(東京大学大学院総合文化研究科教授)
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川島拓人 (PARTNERS STUDIO・クリエイティブディレクター、編集者)
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東京大学大学院で教授をする桑田光平さんとはざっくばらんにお話を。事前の打ち合わせ中にも、「レヴィナスの顔の哲学って知ってますか?」、「誰かは誰かにとってのヒーローであることは当たり前のことのはず」、「マルク・オジェという学者は、日々なにげなく通り過ぎる地下鉄を人類学の場として読み解いたんです」とか。その他にもたくさん。初めて耳にする固有名詞ばかりでしたが、何かワクワクする言葉の羅列。じっくり聞いてみたいと思います。
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日付: 2025年4月19日(土)
16:00 受付
16:30 トーク開始
17:30 トーク終了
参加費:1,500円
詳しい情報をこちらのリンクよりご確認いただき、お申し込みをご希望の際には、事前予約をお願いいたします。
https://peatix.com/event/4378270
トークイベント第二弾:「ポートレイトの言葉」
金川晋吾(写真家)
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川島拓人 (PARTNERS STUDIO・クリエイティブディレクター、編集者)
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お仕事でも、プライベートでご飯も(その時は金川さんのお家にお邪魔しました)したことのある写真家の金川晋吾さん。そんな金川さんもまた、自身の父や叔母のポートレイト写真を撮り続けています。その行為は、まるで、他者を通じて金川さん自身を確認しているように見えます。「人の顔の写真を見たところで、何を学んだかって難しいですよね。でも語りかけるポートレイト写真を目の前にして踏みとどまって欲しい」と話す金川さんには写真家視点でのお話を聞きたいと思います。
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日付: 2025年4月19日(土)
17:30 受付
18:00 トーク開始
19:00 トーク終了
参加費:1,500円
詳しい情報をこちらのリンクよりご確認いただき、お申し込みをご希望の際には、事前予約をお願いいたします。
https://peatix.com/event/4378281
トークイベント第三弾:「なんでもないもの」
沢山遼(美術批評家/武蔵野美術大学准教授)
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川島拓人 (PARTNERS STUDIO・クリエイティブディレクター、編集者)
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「知らない人の顔のポートレイト写真の価値」という言葉を、別のジャンルの物事に置き換えてみました。すると私の目に入ったのはいつも使っている陶器の湯呑みでした。「そういえば、この湯呑みって誰が作ったものなんだろう?」と。生活工芸や民藝、作家不在の器から考える、知らない人の顔の価値についてを、美術だけでなく工芸や骨董などの架橋できる稀少な批評家の沢山遼さんに聞きたいと思います。
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日付: 2025年4月20日(日)
16:30 受付
17:00 トーク開始
18:00 トーク終了
参加費:1,500円
詳しい情報をこちらのリンクよりご確認いただき、お申し込みをご希望の際には、事前予約をお願いいたします。
https://peatix.com/event/4378283
『We』は、さいたま市で生活する人々を捉えた65枚のポートレイトを収めた作品集です。撮影したのは、カナダ出身でベルリンを拠点に活動するマーク・ペクメジアン、モルドバ共和国出身でパリとアムステルダムを拠点に活動するオルヤ・オレイニ、そしてさいたま市に住む小学生5名です。「ポートレイト・プロジェクト」と名付けられた作品群は、2x2mのフレームに収められ、さいたま国際芸術祭2023の会場で、65日間にわたる開催期間中、毎日写真が入れ替わる形で展示されました。芸術祭のディレクターを務めた現代アートチーム目[mé]と共にこのプロジェクトを牽引したのが編集者の川島拓人です。このプロジェクトは、ポートレイト撮影という根源的で普遍的な“他者との向き合い方”を探求し、その作品群と制作過程を様々な角度から考察した一冊となっています。